国立現代美術館ソウルの広い庭の一角に、端正な木造建築が二棟立つ。敬近堂と玉牒堂は、王室宗親の業務を担った宗親府の中心建物である。王の親族は単なる私的家族ではなく、官職・儀礼・財産・族譜を通じて管理される政治集団でもあり、宗親府はそのための制度だった。
敬近堂は業務と儀礼の中心だった
敬近堂は主要な会議や実務に使われ、玉牒堂は王室族譜に関わる機能を担ったと説明される。宮殿の殿閣より簡素に見えても、建物の序列と中庭の構成には王室官庁の秩序が表れる。開放されているように見える縁側へ勝手に上がったり、格子戸に触れたりせず、指定範囲から観覧する。
建物は1981年、正読図書館構内へ移された
軍病院施設の拡張に伴い、宗親府の建物は1981年に正読図書館へ移築された。取り壊さずに保存する選択だったが、建築は木材や瓦だけではない。地形、中庭、道、周辺建物との関係まで含んでいる。移築保存は建物を救う一方、場所の意味の一部を失わせる。
美術館建設の過程で旧位置の近くへ戻った
国立現代美術館ソウルの造成に合わせ、敬近堂と玉牒堂は2013年に現在地へ移築・復元された。過去の配置と景観が完全に再現されたわけではないが、王室官庁、近現代の病院・保安機関、現代美術館が同じ敷地で向き合うことになった。ここで読むべきものは古建築一棟ではなく、国家機関が同じ土地を使ってきた順序である。